坐骨神経痛の原因
坐骨神経痛と呼ばれる症状が、起こり得る原因は、いくつか挙げられます。
○脳疾患による半身の痺れや異常
脳疾患で起きる神経症状は、通常は半身の異常やしびれなどです。坐骨神経痛だけだからといって、急激に出てきた自覚症状は、安心せずに、必ず医師に相談することが大切です。
○神経自体の病気(多発性硬化症など)
神経自体の病気によって抹消神経の異常が出てくることも有ります。歩くのがままならない、ぎこちない等の症状は、専門の医師に相談することが重要です。
○脊髄病変
脊髄病変にも原因が存在しています。椎間板ヘルニア、骨の変形、骨折、脱臼、内出血、他がありますが、背骨の内部で脊髄神経自体を圧迫したり刺激したりする状態で、脊髄神経自体が影響を受けてしまいます。両足に自覚症状が出てきた場合は要注意です。
○神経根障害
神経根障害にもいくつかの原因が存在しています。脊椎症、椎間関節症、骨の変形、椎間板の病変などによって、神経根を刺激します。背骨と背骨の間での障害ですので、自覚症状は片側で、楽になる姿勢があります。
○梨状筋症候群
骨盤の仙骨から、股関節の大腿骨の大転子という部位に走行している筋肉によって、坐骨神経が障害を受けます。殆んどの梨状筋症候群は、外傷が原因ですが、梨状筋の緊張・弱化・萎縮によるものもあります。さらに、坐骨神経が梨状筋の内部を走行している方がいます。これらの方も、筋肉自体の異常によって、自覚症状が出現します。
○感染症
感染症は、ヘルペスウイルスなどの感染症があります。また、ウイルスやバクテリアの感染によって、髄膜炎を発症することがありますので、熱が出る、歩行が異常であるなどがありましたら、必ず医師に相談しなければなりません。
○外傷
外傷は、骨折や脱臼などの重度のものが多く、結果として椎間板ヘルニアなどの異常を併発することが多いです。外傷の場合は、脊髄ショック等の予測の難しい状況も生じますので、いずれも医師に診せなければなりません。
○その他
その他の原因でも、坐骨神経痛と呼ばれる自覚症状が出ることがあります。『妊娠』もその一つです。検査をしたことがない場合は、必ず医療検査を実施して、現状を把握することが重要です。
◎坐骨神経痛という名前は、自覚症状を指し示す一つの言葉の手段でありますが、坐骨神経痛自体が病気なのではありません。
例えば、腹痛みたいなものです。お腹が痛いといった自覚症状を指し示しているのです。坐骨神経痛と呼ばれる症状の中には、様々な病気が隠れていることが多くあります。また、医療検査にて、何も見当たらないことも多くあります。これらも含めて、単に坐骨神経痛と呼んでいます。
自覚症状があるのですから、必ず原因はありますが、検査不可能なものもあります。ただし、同じ症状でも、その中に隠れた病気を検査・診断・鑑別することは大変重要なことです。
これらの検査は、的確な治療を早期に開始することが可能となり、早期治癒へと繋がるからです。