上位運動ニューロン障害・下位運動ニューロン障害
運動神経は、大脳皮質運動野から脊髄に走行する上位ニューロンと、脊髄内の前角細胞という細胞から走行して、筋肉を支配する下位ニューロンに分けられます。
【上位運動ニューロン障害の特徴は】
◎痙性麻痺・・・筋緊張が亢進して自分の意思で動かす事が出来なくなります。
◎深部腱反射・・・亢進します。(アキレス腱反射、膝蓋腱反射など)
◎表在反射・・・低下します。(おヘソのところを擦ると、腹筋が収縮したり、が持ちあがる挙睾筋反射などがあります。)
◎病理反射・・・バビンスキー反射陽性(足の裏を擦ると親指が反り返る反射です。上位ニューロン障害では決定的な兆候です。)
◎間代性麻痺・・・自主的な可動が不可能になります。
これらが特徴的な症状です。
下位運動ニューロン障害は、脊髄神経内の前角細胞という呼ばれるところの傷害で起こります。
【下位運動ニューロン障害の特徴は】
◎弛緩性の麻痺・・・力が入らなくなり、だらんとしてしまいます。
◎深部腱反射・・・減少または消失(アキレス腱反射、膝蓋腱反射などがあります。)
◎表在反射・・・なくなります。(おへそのところを擦ると、腹筋が収縮する腹皮反射、セ スを擦るとセ スが持ち上がる挙睾筋反射があります。)
◎筋力低下・・・筋肉の弱化、萎縮などが起こります。
◎病理反射・・・バビンスキー反射は陰性になります。
が特長的な症状です。
下肢の知覚異常や運動異常が生じた場合に、坐骨神経痛だと早合点することは危険なことです。しびれから始まり、徐々に病変が進行し、やがて上位ニューロン障害として、症状が出てくることも稀は有りません。しびれの自覚症状が有りましたら、まずは医療検査が大切です。